転倒のリスクを減らすリフォームのコツ
老朽化に伴う自宅のリフォームを行う場合には、将来に備えて早めの対策を施しておくことが重要です。人間は年齢を重ねることで身体能力が低下していき、それまで当たり前のようにできていたことが難しくなります。特に注意をしなくてはいけないのが転倒です。主な事例として階段でのつまずきがあります。自分の頭でイメージしているよりも足が上がらずに段差で足を引っ掛けて前のめりに転倒する事故は珍しくありません。
階段での事故を防ぐ有効な対策が手すりの設置です。手すりに摑まることでバランスが取りやすくなり転倒のリスクを最小限に減らすことができます。自宅の構造の問題で階段を直線にできない場合は手すりに空白部分を作らずにカーブに沿って作ることがポイントです。自宅で起こる転倒トラブルは階段だけではありません。廊下と部屋の間にできる小さな段差で躓くこともあります。廊下と同じフローリング素材でできている洋室であればリフォームで段差を取り払えるので大きな問題はありません。
しかし、和室は畳に厚みがあるため完全になくすのは難しいのが実情です。自宅から和室その物を無くすという選択が難しいのであれば、部屋と廊下の仕切りにスロープを設置する必要があります。スロープの設置は躓きによる転倒予防以外にも、車椅子を使う場合のスムーズな移動というメリットを得ることも可能です。そのほか、入浴時に浴室のタイルで足を滑らせて転倒するという事例もあります。浴室のリフォームでは機能性やデザイン性だけを重視せずに安全面にも配慮しなくてはいけません。床全面が濡れても滑りにくい素材にするのはもちろん、湯船に浸かる時の転倒に備えて手すりを設置するといった対策が重要となります。